企業内セミナー高度なコミュニケーションスキルが働きやすい職場を作る

メディエーション:高度なコミュニケーションスキルが働きやすい職場を作る

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「メディエーション(mediation)」を直訳すると「調停」。メディエーションとは、紛争の起きた当事者双方の間に第三者が介入し、話し合いによってその紛争への和解や歩み寄りを計る手段で、日本では医療など一部の業界を除いてまだあまり馴染みのない概念ですが、アメリカでは個人・企業ともに、訴訟に代わる有効な問題解決手段として広く認知されています。 裁判で紛争を解決するよりも安価で早く、機密事項も守られるという利点があります。メディエーションを進行するメディエーターは、当事者から離れた第三者として、中立の立場で紛争を解決するよう、最良で納得のいく和解策や問題解決へと当事者を"導く"指南役を務めます。良いメディエーターは、紛争の「事実」の解決よりもむしろ、当事者同士の感情面や人間関係の解決に注力するのも特徴です。

米国陸軍でも、メディエーションは米国人向けに長年行われているプログラムです。今回、キャンプ座間において、はじめて日本人リーダーを対象として、メディエーションの研修が計画・実施されたことにあたり、プログラム導入の背景と、期待される効果を伺います。

メディエーションは快適な職場環境づくりに結び付く

ジョセフ P. マニング氏キャンプ座間 在日米陸軍基地管理本部
副司令官 ジョセフ P. マニング氏 

在日米国陸軍司令部が在籍する「キャンプ座間」には、従業員のほか、軍人、シビリアンといわれる米国民間人およびその家族が日米同盟の任務遂行のために暮らしています。消防署や学校、図書館、映画館、ショッピングセンターなどがあり、ひとつの企業をマネジメントするというより、「キャンプ座間」というひとつのコミュニティを治めるような気持ちで、責任者として、ここに住む人々に安全で快適なサービスを提供できるよう、日々心を配っています。
人々に安全と快適さを届けるためには、なにより自分たちの働く職場環境が安全で快適でなければならないと思います。
コミュニケーションをはかりつつ、たがいに理解し、協力し合う環境を皆で努力して整えていかなければ本来の任務達成は成し得ないでしょう。
米軍は、アメリカの法律で、差別的扱いや権利侵害行使を禁止しています。しかし、キャンプ座間では、多様なルーツを持つ人々が働く中で、言語や文化、生活習慣、価値観の違いから生まれるコミュニケーションギャップが、ときに問題となることも事実です。たとえばアメリカ人は問題をはっきりと口にする一方、日本人は、内にためてしまうという傾向があります。両者のコミュニケーションに小さな亀裂が生じたことをきっかけに、感情が徐々にこじれていき、いつしか両者の関係性が修復不可能な状態に陥ってしまう危険性もあります。そのような状態へ発展する前に、私たちの職場での問題解決に、メディエーションは非常に有効な手段であると考えます。
傾聴力を養い、先入観を排除し、職場内で起こる問題を解決したい、良好な職場環境を構築したいという熱意ある日本人リーダーが、メディエーターとして今後キャンプ座間で活躍してくれることを願います。
メディエーションは、勝ち負けがつく訴訟とは異なります。争った両者ともに100%のウインウインを得られるものでもありません。しかし、誰もが潜在的に備えるコミュニケーションの力によって、自分たちで職場内の問題を解決し、友好的な関係をつくっていこうという前向きな解決法は、従業員の心を繋ぎ、それがキャンプ座間の安全で快適なサービス提供へと結びついていくと思います。 このような環境づくりに、トップマネジメントのひとりとして今後も責任をもって取り組んでいきます。

USArmy

キャンプ座間 在日米軍基地管理本部 組織プロフィール

在日米陸軍は、米陸軍の前方指揮統制本部として機能し、日本陸上自衛隊と共に、日本の安全保障と極東の平和・安全維持に貢献することを目的に、多種多様な事態に対処し、卓越した共同体と基地活動を提供し、米軍兵士、軍属および従業員とその家族を支援することを任務としています。



インタビューにお答えいただいた方々
在日米陸軍基地管理本部 日本人事事務所 所長 鈴木貴久子氏
管理従業関係調整課 課長 大橋和行氏
訓練啓発課 課長 渥美 純氏
訓練啓発課 氏家みどり氏

―在日米陸軍の概要からお聞かせ願えますか。

在日米陸軍は、米陸軍の前方指揮統制本部として機能し、日本陸上自衛隊と共に、日本の安全保障と極東の平和・安全維持とに貢献することを目的に、多種多様な事態に対処し、卓越した共同体と基地活動を提供し、米軍兵士、軍属および従業員とその家族を支援することを任務としています。
キャンプ座間は、在日米陸軍司令部として機能しています。本州の基地に勤務する現地採用従業員は約3000名、うち日本人従業員はその大多数を占めますが、その他、欧米、オセアニア、アジア、アフリカなど16か国から従業員が集まっています。

―このほど、メディエーション・プログラムを、日本人リーダーを対象にはじめて導入されたと伺いました。導入を決められた理由とは?

メディエーションが、職場内の問題、とりわけ日本人従業員が抱える問題の解決をはかるための有効な手段ではないかと考えたからです。
メディエーションを簡単に説明すると、職場内の人間関係、いろいろなコンフリクトをなるべく話し合いでもって、第三者を交えて、スピーディかつ効率的、平和的に解決するコミュニケーションのひとつです。
先ほど申し上げましたように、私たちの職場には多様な文化が入り交じっています。文化や慣習の違いから、日常の場面で問題が生じることも少なくありません。
たとえばアメリカ人は、自分の意志や考えを伝えたい相手に、直接はっきりと口にしますし、相手に正直な意見を期待します。対する日本人は、概して異を唱えることが苦手です。その場では相手に同意しつつも、不満やストレスを内にため、長々と問題をひきずってしまい、それが原因で病気になってしまう日本人従業員もいるのです。
彼らの抱える問題を解決する手段として、就業規則で"苦情申し立て"という権利が認められています。しかし、日本人従業員はほとんどこれを利用しません。最近の意識調査の結果、問題を抱えながらも、公式の手続きに則って、自ら苦情を申し立てることに抵抗を感じるため、苦情申し立て制度が利用できないという従業員が多くいることがわかりました。
そこで、彼らのメンタリティに合う問題解決手段として、第三者が介入するメディエーションが相応しいのではないかと思ったのです。

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