生じる問題点
企業は若い従業員を採用し、多くの時間とお金を費やして教育するにもかかわらず、1~2年後に彼らは転職してしまう。高い給与と約束されたボ-ナス、確実な昇給、長期的な職の保障は伝統的に従業員の保有に繋がっていたが、多くの若い従業員にとってこれらの条件は彼らを惹きつけ、動機付け、帰属意識を高めるのに必要ではない。
企業は何をすべきか
Gen Yと共に働くための一般的な解決方法はないが、優秀な従業員を惹きつけ、動機付け、特に保持するために企業にとって必要な10の条件を述べてみよう。
1.企業の価値をあげる あなたの組織が何のためにあって、他との違いは何か、そしてバリュープロポジションは何かを世界に発信するのである。そして、この情報をリクルーティング時に活用すべきである。さらに継続的にその情報を社員、特に新しい従業員に啓蒙するのだ。これによって彼らはコミットメントするに値する組織の重要な一員であるという理由でモチベーションを維持することができるであろう。 MWorld Spring 2008, By BRUCE L. KATCHER, Ph.D.----AMA抄訳 ※M World は、米国AMAが四半期毎に発行する機関誌です。
2. 若い従業員が辞めていく原因を学ぶ
最近退職していった若い人達から、なぜ辞めていくのかという重要な洞察を学べることがある。しかし、必ずしも毎回収穫がある訳ではない。そのデータの集め方が重要となる。退職した従業員に対して、正直なフィードバックをしても危害が及ばないことを確約しなければならない。または第三者機関をインタビュアーとして使うか、無記名式のアンケートを行うことでデータの妥当性を上げることもできる。
3. 離職率と職務遂行能力を予測するための判断材料を特定する
もし多くの若い従業員が辞めていくのであれば、間違った情報を基に採用決定したあなたの判断基準が違っていたのかもしれない。例えば、もし退職していくセールス担当者の多くがIvy-leagueの大学卒業者か、成績の平均が3.5以上の者だったとしよう。恐らくあなたは彼らのような人材を将来的に採用しないほうが良いのかもしれない。
組織の多くは長年、リクリーティングを同じ場所で、同じ求職票を使って、同じ面接内容で採用手順を踏んでいるために、その結果はまちまちである場合が多い。こうした過去の習慣を変えずに物事が好転するわけはない。
「過去は未来の最も良い予言者である」という原則に基づく"biodata"と呼ばれているアプローチがある。これはインタビューやテスト、その他採用のためのアプローチに比べてより客観性があり、科学的で、比較的正確な調査方法である。これは求職者が本当にパフォーマンスを発揮するか、そしてどのくらい会社に留まるかを予測するだけの情報で採用可否を決めていたこれまでの手法から離れることが出来る。このアプローチは以下の4つのステップを含んでいる:
第1ステップ:
あなたが過去数年間で雇った在職の、もしくは退職した従業員の個々の情報をデータベースに入れる。そこには求職志願者の詳細、就職面接の注意点、そして履歴書の情報やテストなどのスコアも入力する。また、あなたがこの従業員に関して知っている他の情報(例えば、彼らの人生経験、業務経験、関心事、価値、信念、態度、個性、個人的な習慣、リーダシップスタイルや仕事以外で活動など)も入れる。 これらが予測の"判断材料"となる。
第2ステップ:
それらに目標達成数値、営業力、生産性、出勤状態、仕事の質、およびチームワーク力などの職務遂行能力のすべての情報をデータベースに追加する。そして彼らがまだ在職しているか、雇用期間はどのくらいであったかなどの情報を追加する。これらが予測の基準値となる。
第3ステップ:
統計分析(相関関係、回帰分析など)から判断材料と評価基準との関係を評価する(これには専門家による分析が必要になる場合もある)。この目的は評価基準と関連性の高い判断材料を見つけることにある。変数の関連性が高ければ、ひとつの案件を予測するのに過去の例を使用でき、また、回帰分析は変数の組み合わせることで、より評価基準を特定しやすくなる。
第4ステップ:
最も良い判断材料は、あなたが現在行っている採用の工程に含まれるべきである。いくつかの判断材料は、現在求職中の人に面接官から尋ねさせるということもできる。他の判断材料は求職者の申込み書か事前の適正検査に含めることもできる。さらに"biodata"アンケートを実施する方法も一般的である("biodata"アンケートを開発し、有効性を高めるためには、専門家に依頼する必要があるかもしれない)。
4. 退職者が出る前に何が原因なのか追及する
無記名式のサーベイを従業員向け(もしくは退職して欲しくない従業員に限定して)に行う。彼らに自分達のスーパーバイザーやマネジメントについて、さらにはコミュニケーション、報酬制度、キャリアパス、就業時間、自身の能力を発揮できる環境にあるか、などを尋ね、また残留の意思を尋ねる。そして、残留するという彼らの意志とこれらの問題を関連付ける。離職率を下げるために何を変えなければならないかを特定する助けとなるであろう。
5. 自社が楽しい職場であるというブランドを構築する
若い従業員は、同年代の若い従業員がいて、楽しい職場環境を作ろうとする組織に惹きつけられる。例えば金曜の午後のピザパーティー、社内サークル、カジュアルデー、アイスクリームを食べながらの懇談、卓球大会、木曜日恒例の地元のパブでの飲み会企画など。
6. "On-boarding"プログラムを開発する
若い従業員が職務に就いた最初の数ヶ月間は、彼らの注意を惹く企画を考える。こうした若い従業員を対象とした"On-boarding"プログラムには、特別オリエンテーションセッションや他の従業員との交流機会、個別のメンタリングセッション、研修プログラム、そして入社後30日、60日、90日毎に組織に対する意見を取るサーベイを行う、などが考えられる。
7. 1人の個別採用よりも複数人採用をする
私は彼らに、社会人生活についてどのように感じるかを学んでもらうために従業員のフォーカス・グループを実施するとき「あなたはここで働くことに関して何が好きですか?」と尋ねることから始める。これは通常3~5分のディスカッションを引き起こす。そして次に「あなたはここで働くことに関して何が嫌いですか?」と尋ねる。そして残りの大部分の時間を費やしてディスカッションをする。議論の途中で「批判的な意見がたくさん出ているにも拘らず、あなたがこの会社を辞めないのはなぜですか?」と尋ねると、彼らは全員が「ここにいる同僚の存在があるからです」というのである。
新入社員を複数人雇うことは、あなたの組織の従業員を長期間拘束するのに役立つだろう。
組織に順応し始めた彼らにとって、お互いに構築する社会的・感情的な結びつきは非常に強く、辞めようかと考えている従業員を思いとどませる助けとなるのだ。
8. 「ワークライフバランス」を取れる環境の提供
多くの若い従業員達は、夜更かしをし、週末をPCと共に過ごすという生活に慣れている。彼らのニーズと望みに合わせた勤務時間を提供することを企業は考えるべきである。フレックスタイムを導入している企業として知られることは重要である。
9. フィードバックの継続
Millennialは定期的なフィードバックを切望しているが、彼らの上司(スーパーバイザー)はその方法を知らない。私たちの調査によれば、46%の従業員が年間を通じてパフォーマンスのフィードバックを頻繁に、または継続的に受け取っている。若い従業員に対するフィードバックは年1回の人事考課まで待たせてはいけない。日々彼らがどうであるかを伝えるべきである。
10. 学ぶ組織になれ
Millennialは学び続けたいと思っている。彼らの個々のスキルの向上のために、知識を共有できる機会を作るべきである。外部講師を入れ、従業員毎のディベロップメントプランを作成するべきである。スーパーバイザーに対してどのように若い従業員を育成していくかを教育し、また彼らにとってその重要さを強調すべきである。
M World の記事内容・コンセプトは、必ずしもAMAが提供する研修プログラムの内容とは一致しません。